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障害者雇用ビジネス 不適切事案へ指導監督――労政審分科会

人事労務ニュース

労働政策審議会障害者雇用分科会は8月31日、障害者の就業場所となる農園やサテライトオフィスと従事する業務を企業に提供する「障害者雇用ビジネス」の法規制のあり方をテーマに議論した。分科会では、厚生労働省が法規制の方向性について提案。法律上に事業開始の届出義務を設けたうえで、ガイドライン(告示)に沿った援助の実施に努めなければならない旨を規定するとした。利用企業への不適切な援助が行われている場合には、報告徴収や指導・助言・勧告が行えるよう法律に定める。一方、利用企業に対しても、雇用障害者の就業場所・人数などの報告を義務付ける。

 

引用/労働新聞令和8年9月21日第3561号(労働新聞社)

【当事務所からの実務ポイント】

今回の議論で企業側が特に注意すべきなのは、「障害者雇用ビジネスを利用して法定雇用率を満たせばよい」という考え方から、障害者を実際にどのように雇用・育成し、能力を発揮してもらっているかまで確認される方向に進んでいることです。

厚生労働省は、障害者雇用ビジネスを利用する企業について、障害者雇用状況報告(いわゆる6.1報告)などを通じ、就業場所、ビジネス事業者の情報、障害者が従事する業務内容、利用予定期間などを把握する方向で検討しています。また、厚生労働省のこれまでの検討資料では、障害者が行った仕事の成果を利用企業自身の事業活動で有効に活用することや、障害者本人と利用企業の人事担当者等が定期的にコミュニケーションを取ることなども論点になっています。

厚生労働大臣も9月1日の会見で、利用企業側の雇用責任が希薄になっていることや、障害者の能力発揮の成果が企業の事業活動に十分活用されていないことを課題として挙げています。

したがって、現在「農園型」「サテライトオフィス型」などの障害者雇用ビジネスを利用している企業では、今の段階から次の点を確認しておくことが重要です。

・障害者にどのような仕事を担当してもらっているのかを、会社自身が説明できるか
・その仕事や成果が、自社の事業活動の中でどのような意味を持つのか
・障害者本人の能力や希望を踏まえ、仕事の見直しや能力向上の機会を設けているか
・支援をビジネス事業者に任せきりにせず、自社の人事担当者等が本人と定期的にコミュニケーションを取っているか
・合理的配慮、労働時間、賃金、安全衛生など、雇用主としての管理を自社で把握しているか
・契約書だけでなく、実際の就業状況や支援内容を確認できる記録が残っているか

特に重要なのは、障害者雇用ビジネス事業者が支援をしていても、障害者を雇用しているのは利用企業であるという点です。現在でも、合理的配慮をはじめとする雇用主としての責任そのものを外部事業者へ移すことはできません。厚生労働省も従来から、利用企業と障害者との間に雇用契約があることを前提として整理しています。

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